Cafe & Bar ROCO
書きたいことを徒然なるままに…
プロフィール

龍野ゆうき

Author:龍野ゆうき
複数の小説サイトで執筆活動をしています。こちらでは小説の番外編や小ネタなどを置いています。創作意欲の発散場所。または、ネタ帳とも言う。(笑)


最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

哀れな生け贄 後編
『哀れな生け贄 中編』の続き

【ツインクロス】番外編
[登場人物]冬樹(夏樹)、雅耶、長瀬、力
エンディング前。(夏休み明け位)




「とりあえず、これは没収な?」

冬樹が冷たい視線を送りながら力に言った。
「えっ?ちょっ…待っ」
思わず名残惜しそうに伸ばして来た力の手を無情にも冬樹が払い落とす。
「…これ以外には流石にもうないよな?」
「あっああ。うんっ、そう。コレだけだっ。コレだけっ」
慌てて取り繕うように返事をする力の様子に。
「……何か怪しい…」
冬樹は眼を光らせた。
その時、ドキリとした力が咄嗟に制服のポケット部分を押さえるような手の動きをしたのを冬樹は見逃さなかった。

「…そこにまだあるのか?」
「ヒィッ!」

殆ど『蛇に睨まれた蛙』状態である。
結局、その他に持っていた写真も没収され、力は計4枚の冬樹の写真を取り上げられてしまった。

そんな様子を横で見ていた雅耶と長瀬は、若干顔を引きつらせつつも素知らぬふりをしていた。

(哀れ、神岡…。だが、神岡が持ってた写真は俺は直接関係ないもんね。だから問題ナッシングだし)
もし問い詰められてもシラを切れる自信もある。
長瀬は力のフォローをする気など毛頭なかった。

雅耶はというと、長瀬に売りつけられたとはいえ自分も同じ物を持っている手前、冬樹(夏樹)に申し訳ないというか、立場がなかったのだが。
何とも落ち着かない気持ちでいるものの、写真は家に大切にしまってあるし、今ここで自分がそれを暴露する気は更々なかった。
(…っていうか、今のこの状況で言えないだろっ。夏樹に軽蔑されたくないし…)

そう、二人とも我関せずを貫くつもりだ。

「こんなの一体いつの間に撮ったんだろ…。ブロマイドってそんなに普通に出回ってるものなのか?オレ聞いたこともなかったけど…。これって普通に駄目なヤツだろ」
力から奪った写真をげんなりしながら見ている冬樹に。
「ホントだよねー。だけど神岡みたいなヤツがいるから、こーいうのがなくならずに続いていくのかもねぇ。買う奴の顔が見たいよ、俺は」

ちゃっかり調子の良いことを言う長瀬に。
雅耶は、冬樹から見えない位置で長瀬に肘鉄を食らわせたのだった。




前中後と長々と書いたわりには、エラく尻切れっていう。(笑)
書き出した当初、どうやって〆ようとしてたか忘れちゃった。
あああ…すみません~。



スポンサーサイト
哀れな生け贄 中編
『哀れな生け贄 前編』の続き

【ツインクロス】番外編
[登場人物]冬樹(夏樹)、雅耶、長瀬、力
エンディング前。




「これ…。こんなの、何でお前が持ってるんだ?」

冬樹が無表情で力に質問をした。
手には、その写真を持って。
それは冬樹が保健室で清香と話をしている中で見せた笑顔を撮られた写真で、以前長瀬が雅耶に売り付けた中の一枚と同じものだった。
「こんなの」と言って差し出したその写真に、力が何気なく手を伸ばそうとすると、冬樹がサッとそれを引っ込めた。
「…答えろ」
冬樹は大層ご立腹のようである。
面と向かって睨まれている力は勿論だが、その写真の存在を知っている雅耶や長瀬も自然と背筋が伸びた。

そんな中、雅耶は長瀬にこっそりと耳打ちした。
「なぁ、お前もしかして力にまであの写真売ったのかっ?」
信じられないという表情で見てくる親友に。
「まさか。断じて俺は雅耶にしか流してないぞ。写真部と繋がりあるって言ったって、俺は売り子でも何でもないし。でも、神岡の奴はどこで手に入れたんだろ?そもそも、この学校のブロマイドの存在を知ってるなんて侮れん奴だ」
長瀬が変に感心しながら言った。

その時、冬樹の追求に白旗をあげた力が、ぽつぽつと話し出した。
「これは、その…写真部の二年生に貰ったんだ。こないだ、ちょっとした縁で知り合ってさ。どうしてもくれるって言うから…その…な?」
いまいちハッキリしない力の言い分に。
不快感をそのままに、次に冬樹は長瀬に話を振ってきた。
「写真部って…。こんなの撮ったりするものなのか?これって隠し撮りだろ?」
「えっ?あー…まあ。この学校のある意味伝統になってるらしいんだけど…。人気のある生徒のブロマイドを写真部が売ってるんだよね」
長瀬が思いのほか嬉しそうに説明をする。
「…ブロマイド??」
冬樹は訳が分からないという顔をした。
「そっ。ブロマイド。聞いた話だと、冬樹チャンのは大層人気らしいよっ♪」
まるで良かったね♪と言わんばかりの長瀬に。
「…嬉しくも何ともない」
冬樹が嫌そうな顔を隠さずに呟いた。




また区切ります。(汗)
次回で終わるはず!
哀れな生け贄 前編
【ツインクロス】番外編
[登場人物]冬樹(夏樹)、雅耶、長瀬、力
エンディング前。(夏休み明け位)



4時限目の終了を知らせるチャイムが鳴り響くと、同時に各教室からは生徒たちが廊下へ次々と溢れ出てくる。
その大半が学食や売店へと流れて行くのだ。

「冬樹、飯行こうぜっ!」
雅耶と長瀬が教室の後ろの扉前から、声を掛けてくる。
それに手を上げて応えると、冬樹も席を立った。
同様に力もまた雅耶たちの傍へと歩み寄るのを冬樹は目の端で確認しながら、その力の後ろへつく形で学食へと向かって歩き始めた。
…と、不意に力のポケットから何かがヒラリと落ちた。

「?」

冬樹の足元へと落ちたそれを拾いながら「おい力、何か落としたぞ」と言いかけたところで、それが写真であることに気付く。
(何の写真だ…?)
ペラリ…とめくる瞬間、「あっ!」力の慌てる声が頭上で聞こえた。

「え?…これ、なに…」

冬樹は固まってしまった。

「あっあのー…えっと…っ…」
わたわたと落ち着かない様子でいる力。
立ち止まっている冬樹たちに気付いた雅耶と長瀬も何事かと戻ってくる。
「どうした?何かあったのか?」
俯いたまま、固まってしまっている冬樹を心配するように雅耶が覗き込む。
「冬樹チャン、何持って…」るの?と続くところで、その手にあるものを理解して長瀬は顔を引きつらせた。

その手にあったもの。それは…。
今、ここ成蘭高等学校で大人気のイチオシプロマイド。
冬樹の隠し撮り写真だった。



短いけど区切ります。

『宣戦布告』
『月だけが知っている(前・中・後)』の続編
【プリズム!】パラレル?、没案?
[登場人物]直純、雅耶、仁志



「先生。お話があります」
「ん?どうした、雅耶?そんな改まって」

このところ、この店に良く顔を出している雅耶だが、今日は例のミーティングではなく一人だ。
思いのほか真面目な顔で目の前のカウンターに座っている彼の、その顔はどこか怒気を含んでいるようなピリピリした雰囲気を纏っていた。
そう、まるで空手の試合前の時のような気迫さえ感じる、真剣な眼差し。

「俺、見ちゃったんです」
僅かに視線を落とすと、雅耶がポツリと話し始めた。
「…何を?」
「こないだ…。夏樹が仕事を早く上がった日…」
そう言って、再び視線を上げた雅耶と直純は目が合った。

「先生と…夏樹が抱き合っているのを…」
「………」

今日、夏樹は休みだ。
あの日以来、調子を崩している夏樹に直純は少し休暇を与えた。
本人はやる気があると言っていたのだが、あまり無理をさせたくなかった。
彼女は頑張り過ぎるのだ。
辛いときは、まるで自分を痛めつけることでそれを乗り切ろうとするかのような危なげなところがある。
直純は、そんな夏樹をどうしても放っておけなかった。

カウンター越しで睨み合うように対峙している二人の横で、仁志は何食わぬ顔でコーヒーを入れると、先程オーダーの入ったブレンドコーヒーを「お待たせしました」と、雅耶の前へと置いた。
仁志的には、この二人の話に特に触れるつもりはない。
直純は直純で、しっかり意思を持っての行動だと思っているし、夏樹を思う気持ちも直純と同じではないがそれなりに自分も彼女を心配していた。そこに深い意味はないが、直純の気持ちも分からなくはないのだ。
だから、自分はあくまでも中立…というよりは、店側のマナーとして聞かない振りを決め込んでいた。

「…それで?」
不意に見つめあっていた視線を和らげると、直純が聞き返した。
「お前は、どうしたいんだ?」
直純の表情は柔らかかったが、だが有無を言わせぬ、どこか雅耶の出方を見極めているかのようなそんな瞳をして言った。
「先生…」
「不満を持ったのか?『俺の夏樹に手を出すな』ってか?」
「………」
「それとも、ただ確かめたかっただけか?ただ確かめたかったのなら、事実に違いないよ。抱き合っていた…というのは少し語弊があるが、泣いていた夏樹を慰めたのは事実だ」
「………」
「何で夏樹が泣いていたか、お前は知ってるか?何故あいつがこのところ調子を崩していたのかも?」
「…なぜ…」
雅耶は分かっていないのか、視線を落とすと何か思いを巡らせているようだった。
「分からないようじゃ、お前には夏樹を任せられないな」
「……っ…!?」



…とかって話を書こうと思ってたんだけど、コレ雅耶が鈍感すぎだって!!
アカンやつや。やっぱり没ネタですね~。(汗)
今度は違うシチュエーションで二人を対峙させてみたいですね♪
(…まだやるんだ…?(笑))



月だけが知っている 後編
『月だけが知っている 中編』の続き
【プリズム!】パラレル?、没案?
[登場人物]夏樹、直純




夏樹はフラフラと自宅のアパートまでの道のりを歩いていた。
頭がガンガンする。

(何で『好き』な気持ちだけじゃダメなんだろう…)

自分が雅耶を好きな気持ちは変わらないのに。
本当は、それだけで十分な筈なのに…。
なのに、何故…こんなにも胸が痛むのだろう?
(早乙女さんは、女の自分から見ても本当に魅力的で…)
到底、かなわない。
自分は、あんな風にはなれない。
未だに中途半端で、男勝りで、気も利かなくて…。
どうしたって、劣等感しか感じなくて。
(当たり前だ。お前はこの前まで『冬樹』だったんだから…)
雅耶だって、あんな人に好意を向けられたら嬉しいに決まってる。
どう見たって、お似合いの二人。

(胸が、痛くて苦しくて…)

こんな自分は嫌なのに。
こんな弱い自分なんて、いらないのに。

何故か涙が止まらなかった。



直純は夏樹の姿を探していた。
店を出て、わりとすぐ追い掛けた筈なのに既に夏樹の姿は周辺にはなく。
店のある駅前裏通りを抜け、既に住宅地へと入って来てしまった。
静かな住宅街は、人通りも少ない。
月明かりに照らされて電柱の影が寂し気な道路に伸びていた。
その先の薄暗い場所に、人影が見えた。
電柱に手をついて俯いている、後ろ姿。

「夏樹…?」
直純は傍へと駆け寄ると、その細い肩に手を掛けた。
途端に、ビクリ…と震える身体。
「…大丈夫か?どこか具合が悪いのか?」
優しくその背を支えるようにすると。

「…なお、ずみ…せんせ…?」

ぼろぼろと涙で頬を濡らす夏樹がそこにはいた。
肩を震わせて明らかに泣いていたのだが、夏樹はゴシゴシと涙を拭うと。
「どう、したんですか?こんな所まで…。私、何か…忘れ物でも…?」
まるで口調は至って普通に、何事もなかったかのように振る舞う。
だが、それでもこらえきれない涙がまた一筋頬を伝っていった。
「夏樹…」
「すっ…すみませんっ。ちょ…っと、…っ…私、」
顔を伏せて涙を必死に抑えようとする夏樹。
その小さく震える肩を見ていたら、たまらなく切なくなって、直純は自らの拳を握りしめた。
そして…。

「夏樹」
「…っ…?」

ふわりと…自らの腕の中へと、その身を抱き締めた。
「…夏樹は何もかも我慢し過ぎだよ」
「……っ…」
「夏樹がまだ『冬樹』でいた時から、俺はお前が夏樹だと気付いてた。でもお前が、すごく一生懸命だったから敢えて気付かない振りをして見守ることに決めたんだ。でもな、夏樹。誰にも頼らないのが『強さ』じゃないんだよ。弱い所は、人間あって当たり前。それを認めることも大切なんだ」
「…先生…」
「それに、たまには誰かに頼ったって罰は当たらないよ。俺の胸じゃ頼りないかもしれないけど、お前を支えること位は出来るよ」
「…直純せんせ…っ…」

震えながら再び泣き出した夏樹を。
直純は愛し気にその腕の中に優しく抱き締めるのだった。



コレ没ネタであり、架空のお話なので!(そこ重要!!)
こんなのも良いなぁとか、ちょっと思って書いちゃった系。(笑)
ある意味、問題作デスかっ!?